これから暑い季節に向けて、愛犬のサマーカットを考えている飼い主さんは多いかと思います。見た目もスッキリして涼しそうに見えますものね。
しかし、犬のサマーカットには大きなリスクも伴うことをご存知でしょうか。
この記事は、これから愛犬のサマーカットをしようと考えている飼い主さんに是非見て頂きたいです。
バリカンで短く刈るサマーカットする際の注意点、気を付けたい点、サマーカットのメリット・デメリットについて、トリマー目線でまとめています。
サマーカットとは
まず、サマーカットとは、何を指しているのでしょう。
犬のサマーカットで調べてみると、
「夏の暑い時期に向けて、暑さを避けるために被毛を短く刈り込むこと」とあります。
それぞれ差はありますが、サマーカットの場合、3ミリバリカンで刈り込む犬が多いかと思います。たまに、1ミリバリカンでツルツルにしてしまう犬もいます。
スッキリした見た目は涼しそうに見えますし、抜け毛の長さも短くなるため、抜け毛が少なく感じる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
しかし、犬にとって、本当にサマーカットにされることは良いことなのでしょうか。
サマーカット、涼しく見えるのは見た目だけ
愛犬のサマーカット、長かった毛もスッキリして、見た目はとても涼しそうに見えますよね。
しかし、犬目線で見るサマーカットは、見た目とは反対に、とても暑さを感じやすいカットとなります。
犬の被毛は、寒さを防ぐ機能があります。
そしてもう1つ、犬の被毛は、暑さを防ぐ機能もあるのです!
被毛があることにより、被毛の間に空気を取り込み、夏などの暑い季節でも犬は涼しく過ごすことができるのです。
サマーカットにより、毛を短く刈り込んでしまった場合、毛と毛がピッタリ皮膚にくっついた状態になるため、犬は涼しさを感じるどころか、反対に熱を外に逃がすことができず、暑さを感じやすくなってしまうのです。
サマーカットする際のリスク
犬のサマーカットでは、3ミリや1ミリなど、かなり短いミリ数のバリカンを使用します。
十分に注意していても、バリカンやバリカンの熱で皮膚を傷つけやすく、バリカンまけを起こす可能性も高くなります。
そして、中には金属アレルギーを持っている犬もいるため、バリカンを使用すること自体リスクを伴う場合もあります。
そのため、犬にとっても、トリマーにとっても、リスクの高いものとなるのです。
さらに、5~9月の暑い日のお散歩では、直射日光が肌に直接当たるため、犬が暑さを感じやすく、とても危険です。
それでも短くしたい場合
犬にとって、被毛を短く刈ることがリスクがあることは分かっていても、皮膚の状態や生活状況によっては、短く刈らなければならない場面もあります。
そうした場合、刈るバリカンのミリ数を長めの6ミリ以上にしてもらったり、ハサミで適度に短くしてもらうことをおすすめします。
5ミリ以下のバリカンで刈り込む場合には、炎天下でのお散歩や暑い場所は避け、涼しい素材の服を着せるなど、被毛の代わりになるものを用意してあげましょう。
まとめ
犬にとって、サマーカットは、人間の私達が思うよりずっとリスクを伴うものとなります。
愛犬にとって暑い季節に向けて、どのようなスタイルが合っているのか、今一度考えてみましょう。
そして、サマーカットなど、短めカットをする犬の場合は、服を着せるなど、暑さ対策を万全にしてあげましょう。
どのようなスタイルがいいのか、悩んでいる場合は、トリマーや獣医さんに相談してみるのもいいですね。
皆様が、愛犬と楽しい夏を快適に楽しんで過ごせますように。